いちろぐ。

瀬道 一加の雑記ブログ。小説のこととか、体質、ダンス、動物、留学体験...etc.

イケメンが解説する脚本の書き方が超わかりやすかったので超訳した。

何を学ぶにしても、やはり動画は強い。と思う今日このごろ。

やっぱり視覚から入ってくる情報って覚えやすいですよね~。

そんなわけで、物語の書き方を勉強しようと無料のコンテンツをネットで漁っていたところ、とても素晴らしいYouTubeチャンネルを見つけました。

小説ではなく、映画の脚本の書き方に絞って解説していますが、駆け出し小説家にもめちゃくちゃ参考になりました。

 

この方のコンテンツの何が素晴らしいかと言うと、

  • 出し惜しみしない要点簡潔にまとめている

というところです。

 

そんなTyler Mowery(タイラー・モウェリー)さんのチャンネルがこちら↓

www.youtube.com

(小声:ええそうですよイケメンですよ目の保養ですよええ。)(小声:本人が喋ってる動画もありますよ奥様念の為。)

 

 どこから見つけたのかは忘れましたが、最初に見た動画がこちらでした。

 『ストーリー・サークルを使って物語を構成する』(英語)

 (小声:こういう映画の画像使って作ってる動画よく見るけど大丈夫なのかなぁ……一応クレジット書いてあるけど有りなのかなぁ……)

と、言うわけで以下は、私が超参考になったと感じたこの動画の超訳となります。長いと思いますが、自分メモ的な意味でも書いておきたいので、皆様の参考にもしていただけたら幸いです。*1

 『ストーリー・サークルを使って物語を構成する』を勝手に超訳!!

 物語には「構成」が必要という考え方には賛否両論あるけど、僕は脚本家の役には立つと思う。しかも、

  • 物語全体
  • シーン

のそれぞれに適用できるんだ。

今回は物語の必須要素がどんなものかを説明して、それをどう執筆に役立てられるのかを提案しよう。

まず伝統的なシド・フィールドの「三幕構成」。

  • 第一幕 25% 舞台を設定して主人公が旅に出る
  • 第二幕 50% 主人公が障害にぶつかったり学んだり失敗したりしながらゴールに近づく
  • 第三幕 25% クライマックスと問題の解決

 これだとみんな、大体第二幕を書くところで躓くんだよね。僕もよく映画を見ていて、上手く行っていないなぁと感じることがある。それって、第二幕の目標がはっきりしていないからだと思うんだ。

だから、物語の必須要素を知る必要がある。ダン・ハーモン(アニメやTVドラマの脚本家)は、それをストーリー・サークルと呼ばれる図に凝縮したんだ。

 ストーリー・サークルは8つのセクションに分けられる。

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ダン・ハーモンによるストーリー・サークル
  1. YOU:主人公は快適な環境にいる
  2. NEED:しかし何かが必要になる
  3. GO:不慣れな環境に行く
  4. SEARCH:探索し環境に慣れる
  5. FIND:欲しかったものを発見
  6. TAKE:高い代償を支払い入手
  7. RETURN:慣れた環境に戻る
  8. CHANGE:変化を伴って

(日本語だったら「欲しかったので出かけ探し見つけ支払い帰った別人だった」とか覚えたらいいですかね?)

例:ダークナイト(原題: The Dark Knight)2008年
  1. YOU:主人公はバットマン
  2. NEED:①ゴッサムの平和②ハービーをバットマンの代わりにして引退したい
  3. GO:今までと違う敵、ジョーカーが現れる
  4. SEARCH:それを受けて立ち向かう
  5. FIND:ジョーカーを捕まえる
  6. TAKE:レイチェルを失う
  7. RETURN:再び戦いの世界へ、ジョーカーを倒す
  8. CHANGE:自分の信念を曲げて、狂ったハービーを倒す

この構成に沿わないものももちろんあるけど、これの通りにやらなきゃいけないっていうよりは、

 どこかしらこの構成らしい骨組みがないと、物語として認識できない

 ってハーマンは言ってるよ。

そしてこの構成は、物語全体だけじゃなくて、それぞれの「幕」にも適用できるんだ。ダークナイトの物語を見てみると、実は三幕ではなく四幕で構成されているんだ。

例:ダークナイト

第一幕 雑魚をやっつけられるか?

  1. YOU:主人公はバットマン
  2. NEED:ゴッサムの平和のために雑魚をやっつけたい
  3. GO:アジア系ギャングのラオが相手に
  4. SEARCH:ラオを捕まえるために香港へ向かう
  5. FIND:ラオが捕まって、ゴッサムは平和に
  6. TAKE:人気になったバットマンのモノマネが殺される
  7. RETURN:再び平和のために戦う日々へ、レイチェルを助けるかジョーカーを捕まえるかの選択を強いられる(次の幕への鍵となる)→捕縛失敗=物語が終わらず次に進む
  8. CHANGE:ジョーカーが手強いことに気付く

第二幕 ジョーカーをやっつけられるか?

  1. YOU:主人公はバットマン(変わらず)
  2. NEED:ゴッサムの平和のためにジョーカーをやっつけたい
  3. GO:協力者であるゴードンが撃たれる
  4. SEARCH:ジョーカーを追う、ハービーがバットマンだと名乗りを上げて捕まる
  5. FIND:ハービーを捕まえに来たジョーカーを捕まえる
  6. TAKE:レイチェルが殺される、ジョーカーが逃げる
  7. RETURN:再び平和のために戦う日々へ
  8. CHANGE:レイチェルの死による精神的なダメージ

第三幕

  1. YOU:主人公はバットマン(変わらず)
  2. NEED:ゴッサムの平和のためにジョーカーをやっつけたい(変わらず)
  3. GO:リースという弁護士がバットマンの正体を明かすと言い出す
  4. SEARCH:ジョーカーがリースを狙うので止めようとする
  5. FIND:ゴードンと協力してリースを狙う警官を止める
  6. TAKE:ジョーカーの実の狙いであるハービーが消える
  7. RETURN:再び平和のために戦う日々へ
  8. CHANGE:(無し)

第四幕

  1. YOU:主人公はバットマン(変わらず)
  2. NEED:ゴッサムの平和のためにジョーカーをやっつけたい(変わらず)
  3. GO:フェリーが乗っ取られ、人質と犯人が入れ替わる
  4. SEARCH:人質が警官に撃たれないようにする
  5. FIND:ジョーカーを捕まえる
  6. TAKE:病院から消えたハービーがゴードンの家族を人質に
  7. ここだけ他の三幕と違って「戻らない」)ついにゴッサムの平和を手に入れる
  8. CHANGE:平和のために自分の信念を曲げて、ハービーを殺した事実

そして同じように、ストーリー・サークルはシーンにも適用できる

シーンの定義:物語の対立の中で、通常はある一箇所で起こる、物語を新しい方向に持っていく(もしくは新しい情報をもたらす)、モーメントの連なり。

例:「ダークナイト」の第一幕、パーティーのシーン(RETURNの付近)
  1. YOU:主人公はブルース
  2. NEED:バットマンを辞めたいので代わりにハービーを正義のヒーローに。彼の為にファンドレイザーを開く
  3. GO:ジョーカーが割り込んでくる
  4. SEARCH:バットマンになって捕まえようとする
  5. FIND:力で圧倒して制圧
  6. TAKE:レイチェルが人質に
  7. RETURN:レイチェルを助ける(ここがRETURNに当てはまるかは議論の的)
  8. CHANGE:ジョーカーの手強さを知る

そんなわけでストーリー・サークルは非常に便利だけど、あくまで観客に物語を物語として認識させるために必要なのであって、もちろんこれに沿ってるからって必ず良い物語になるとは限らないんだ。

じゃあ何が必要かって?偉大な脚本家であるチャーリー・カウフマンは言ってるよ。

君が「誰か」を言いなさい。
はっきり言うんだ。
人生における毎日で、そして君の作品の中で。
亡くなってしまった誰かに、
まだ生まれていない誰かに、
500年後に生まれる誰かに。
君が書いたものは、君の時間の記録になる。
そうならざるを得ないんだ。

それ以上に、君が「自分自身が誰か」ということに正直であれば、一人ぼっちの世界で寂しい誰かを救うことが出来る。
なぜなら彼らは、君の中に「彼」を見つけることが出来るから。
それが彼らの希望になるから。

チャーリー・カウフマン

彼が言っているのは物語の目的に関してだ。物語を書くことは君が誰なのかを見つける旅になり、物語は君が何を言いたいのかを伝えることになる。これが良い物語と「それなり」の物語を分けるところなんだ。

脚本を書くということは、自分が知らないことを語るということだ。物事の深淵に足を踏み入れるということだ。

チャーリー・カウフマン

 「普通の」物語は、この「深淵」に踏み入れずに書かれたものだ。自分が何に苦しんでいるのか、自分はどう世界を見ているのか、人類に対する新しい見方を提供できたら、その物語は素晴らしいものになるだろう。ストーリー・サークルはそのための便利な道具なんだ。

良い構成は、商業的ゴミ作品に対抗する上で貴方が使える最良の武器になる。なぜなら資金がかからないから。それは人々の本能が求めるものであり、観客にとっては重要なことだ。

―ダン・ハーマン

 ストーリー・サークルは物語にフォーカス、明確さ、リズムを与える為に役立つし、自分や他人の作品を分析するためにも便利だ。

まとめると、

  • 自分が誰かをさらけ出し
  • (ストーリー・サークルを使って)欠点を正し
  • 正直な物語を造れ

ってことだね。

(終)

訳者あとがき

翻訳疲れました。(笑)でも夢中でやってました!!あー、こういう翻訳を仕事でやりたかった……(←産業翻訳止まり) 

 私はずっと物語を造りたいとは思いつつ、シーンしか浮かんでこない人間だったので、最初にUdemyでマイケル・ハウゲとクリストファー・ヴォルガ―の「英雄の2つの旅」というレクチャーを見つけた時は、「これで書ける!!」と興奮しました。

 

(アマゾンでは見つからなかったけど、なぜかAudibleでは聞けるw) 

www.audible.co.jp

が、しかし、説明が詳しすぎたのか、講師が二人いて似たようなことを話してるからか、なかなか上手く適用出来ずにいました。

そして、今回訳したモウェリーさんの簡潔に、しかも例を挟んでまとめられたビデオは衝撃的でした!そしてこのおかげで温めていた2つのアイデアのプロットがものの数日で完成してしまい、2度びっくり。私はまだまだ作家としては初心者で、他にもいろいろ参考書を読んではいるのですが、私の成長に確実なブレイクスルーを与えてくれたこのビデオには感謝しかありません。

ストーリー・サークルそのものに関しては、ダン・ハーモン氏本人が詳しく説明しているので、機会があれば詳細も訳してみたいです。↓

channel101.fandom.com

私の作家としての人生は始まったばかりですが、これも成長の記録になるでしょう。同じ用に作家を目指し、プロット作成に困っている方の参考になったらうれしいなぁ♫

では今回はこれにて。

Have a happy writing!!

*1:ここで言う超訳とは:「意訳を更にわかりやすい口語にして更に要約までしてしまったもの」だと思ってください。引用に関しては一語一句約しています。